女の性（サガ）

職場にめさくさ可愛い台湾人が入社してきた。

私は滅多にお世辞で人を褒めたりしないが、
本当に久々にモロ好みな可愛い女子だ！

性格もすこぶる良いように見える！

美人なのにそれを鼻にかけている風もなければ、
女に対しても男に対しても、「態度」も「声のトーン」も同じ。
（↑ これ、案外最近の若い子層にはいないのよね。
　　日本の「いい女」って「勘違い女」みたくなってね？
　　それとも私の周りにいる女がそんなのばっかなのか……）

ふふふふふ。
こんだけ可愛い子が入ってきたら、
今度こそ福さんの目は覚めるに違いない！！

そしたら散々否定されまくっていたけど、
「ほ～らね。身近に私しかいなかったから、
　私に目がとまっただけだったでしょ～。」
って、文字通り「ぎゃふん」と言わせてやる！

なーんて、可愛い女の子が入ってきた喜び90％、
心の隅っこ10％でそんなことを考えていたりした。

ところが…………



「ぎゃふん」と言わされるはめになったのは私だった。

先日の隅田川花火大会の日、私達は出勤だった。
帰りの電車の中で福さんが、花火を見に行こうよと言いだし、
なんやかやの流れで、福さんと、台湾美人ちゃんとの
3人で花火を見に行くことになった。

で、花火の後、飲み屋にいって、
さらにカラオケでオール（ナイト）となったわけだが……

そこで自分の中に生じた感情に
自分で驚いて、さらにガッカリしてしまったのだ。

狭いカラオケ屋の個室で福さんとレンちゃんが
肩を寄せ合って、私の知らない言葉で笑っているのを見て、
なんだか胸が「ズキリ」としてしまったのだ……。

これはあれだな。
私が最も嫌っている「女特有の嫉妬心」というやつだ。

いやもう、びっくりした。
この感情って、別に好きでもなんでもない男性が相手でも
生じるものだとは思っていなかった。
「なんか福さんに対して嫌悪感が生じ始めてるような…」
と最近気に病んでしたくらい好きでも何でもない相手なのにだよ？

なにこれ、つまり、私は「醜い女の嫉妬心」とは
もう無縁の人間になっていると信じていたのに、
嫌な女によく見られる際限なき独占欲？的なものの欠片が
心の底に残っていたってわけ？

……って愕然としてしまったわけであります。ううう。

ずっと自分に言い寄ってきてた、どうでもいい男が
他の女性と仲良くしていると面白くないと思う気持ち、
これってきっと女の性（サガ）なんだなって確信した。

私の場合、面白くないとは……うん、思わなかったけど、
一瞬傷ついたような変な感覚を確かに味わった。
ず～っと昔に、好きな男性が素敵な女性と話しているのを見て、
「ズキン」と痛んだ「恋する乙女心」……あれと同じだった。
でも、何度どう考えても、福さんのことを好きになったわけでなく、
やっぱり、むしろそんなに好きじゃない対象にすらなっていて……。

あああ、やだやだ、修行が足りないわ。
人間やめたい（笑）